まだロックが好き

まだロックが好き

おめおめと生きている日記

「エモい」という言葉 saosinを聴いて思い出したこと

 

 

 あれは高校のころだったか。忘れてしまったがとにかく10年以上前。友人の神尾くんがおっしゃっていた。

「マジ、エモい。」

 これはどういうことなのか?、と「まじえもい」の文節を読点にて区切り、単語をカタカナ表記にし、それに形容接尾語を付けている時点で私はすでにこの言語を把握している。つまり前文の「どういうことなのか?」というのは寸劇であり、虚構であり、茶番。これもひとつの表現方法である、と寛容な態度で読んでいただきたい。

 しかし私はいま、あのときの、私の気持ちを、叫びたい。

 

いったいなんなんだ!それは!

 

 多少の不明言語は文脈により察する。私だって数十年日本語を駆っている。多少意味のわからない言葉だって推察してやるんだから。と魔法少女的語感で思っていた。

たしか以下のような会話であった。

神尾くん「さいきんなに聴いてる?」

私「さいきんユーズド聴いてる」

神尾くん「マジ、エモい」

私「…!!!」

 ユーズドというのはアメリカのバンドである。THE USED。スクリーモとかいう叫ぶロックをやっている。スクリーム+エモだから、スクリーモ。いったいなんなんだ!それは!新種のイモか!北海道産か!と今となっては思いますが、当時は盲目的に好きだったので、かっけーって言ってました。ピュアでした。

 

The Used (Enhanced)

The Used (Enhanced)

 

 

 ちなみに数年前、いまもあるのかわからんのですけど「ピコリーモ」とかいうふざけたネーミングの音楽もありましたね。前述のスクリーモ+ピコピコ電子音でピコリーモ。このジャンル名のダサさは格好つけることが前提のロックミュージックにおいてどうなのか?と思っている。

どんなジャンルやってんの?という問いに対する「ピコリーモ」。感性を疑ってしまいます。だいじょうぶか!?若人よ!!という余談ですが。

 

 ちなみに「エモい」とは、感情という英単語「emotion」に、体言を形容詞化する「~い」をつけたものである。これを無理やり日本語にもっていくとすれば「感情っぽい」ということであろうか。感情っぽい、なんとも摩訶不思議なフレーズである。

A「さいきん調子どう?」

B「ちょっとエモい」

A「わけわからん 」

B「感情っぽいって意味」

A「…なにが? 」

 

 感情っぽい。なんなんだ!それは!とまずAさんは思うでしょう。しかしAさんもAさんで調子について尋ねているのだから「Bの調子は感情っぽい」と推察すべきですが、これにはワケがあり、それは日本語の近年における口語変化、つまり唐突な発言「ヤバイ」という言葉に代表される主語排斥運動に感化されているのであり、もしこの「ヤバイ」の主語が定例的に発言者にあたる人物であれば、東西南北いたるところで交わされる「ヤバイ」という言葉は、そんな悠長にだらだらと言い合っている場合ではなく、生命活動にも関わることであるのでいますぐにでも救急病棟に駆け込むべきであるが、しかし平成の世はそうでなく、客観的なある事象やシーンを指して「ヤバイ」と言っているので、この「エモい」という発言も、Aさんは申し手であるBさんの「なにか」が「感情っぽい」と憶測を立てたわけであるので、最終文脈の「なにが?」は口語的日本語として成り立つ発言なのである。ただ「エモい」が日本語として成り立つのかは疑問だが。

 

 どうやら感情が昂ぶるときに使用するようだ。ちょっとエモい。直接的に「私は昂ぶっている」というよりもカジュアルに使えますね。「昂ぶっている」なんか性的ですよね。エモい。まぁ私は使いませんが。わからない言葉は使わないようにします。

 

 なぜこのような言葉が発生したのか?と思案を巡らせば、エモというロック音楽ジャンルがあることが原因ではなかろうか。有名なとこだとジミーイートワールドとかゲットアップキッズ。フォールアウトボーイといったところか。

 

インテグリティ・ブルース

インテグリティ・ブルース

 

 

 こういったバンドを「エモい」と形容する。褒め言葉である。

 ダウナーなコード進行を轟音ギターで搔き鳴らし、シンプルでキャッチーなメロディ、というのが通例である。音楽の三大要素、リズム、メロディ、ハーモニーの中でひときわメロディってのは、どうしてこんなにも感情を入れやすいのだろう。と思いますね。だからエモい。まぁ真意はついてんのかな。

 スクリーモのバンドでセイオシンというバンドがいる。私は好きでいまだに聴く。

最近、というか去年また新しいアルバムを出したという遅めの話題を2、3日前に耳にし古いアルバムを聴いている。

 

アロング・ザ・シャドウ

アロング・ザ・シャドウ

 

 

 ちょこざいなリフレイン主体のギターその1。音圧兼バックギター担当のギターその2。うるさいギターのため主張できないベース。止まると死ぬとおもっているドラムス。そしてモルモン教の2代目ハイトーンボーカル。

 ニューアルバムはこのボーカルが脱退して、昔のボーカルが出戻ったという複雑なバンド。つまり2代目ボーカルの次が1代目ボーカル。ややこしい。子どもに説明したら数列の概念が壊される。

曲は好きです。ファーストの「voices」が名曲です。ほんと、エモいです。

 

Saosin

Saosin