まだロックが好き

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夢破れたサラリーマンがおめおめと生きている日記

THE BACK HORNを聴いて咽び泣く三十路のあたし

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やはりこの歳になり、いろいろな責任が押し寄せてくると誰にも頼れない。上からも下からも「どうするの?」なんて具合に圧迫されてしまう。横に逃げようも同期はもういない。囲い込み運動ですね。それが社会人ですよ。

 

そんなとき、誰かに「大丈夫だぜ。今夜、何もかもが輝くから。」なんて言われたら濡れる、頬が。もう抱かれてもいい。と思い、それは決意にかわる。だから私は今夜バックホーンのとなりで枕を並べることにした。やすっぽい女だと思ってもらってかまわない。

 

「ブラックホールバースデイ」という曲はBPM140くらいのアップテンポで、タム回しのジャングルドラムとマイナーコード一発で進行していくライブでも盛り上がる曲。

しかし私はこれで泣ける。グッときてしまう。とくにメジャー感全開のサビがヤバイ。だって上記のようなことを言ってくれるんだもの。

 


The Back Horn ライブ&ドキュメント⑥〝ブラックホール・バースデイ〟

バックホーンって身もふたもない表現をしてしまうと、すげぇダサい。イモくさい。田舎もん。このブラックホールバースデイなんか出たとき、まわりのバンドはほぼいわゆる残響系。シングルコイルのギターでザクザクしたキレッキレのリフやリズムで鋭利な音楽をやっていた。凛として時雨とか流行ってた気がする。

 

かたやバックホーン。ジャーン!ドンドコドコドコドンドコドコドコ…ジャーンッ!ドンドコドコドコドンドコドコドコ…。まじかよバックホーン。

 

でもバックホーンって本気でこれをやっている。こいつらマジで真剣。嘘がない。歌詞やメロディ、キメもすごくあからさま。けどだからこそすごい正直。切実。そして丸裸。それで「罪や罰や傷や嘘を抱いて、それでも夢を見よう」とか言っちゃう。半テンするところがヤバイ。

 

当時あおくさい高校生だった私は斜に構えた音楽がキライだった。例を出すならば当時ストロークスがキライだった。いまはもちろん好きですが。

 

ストロークスの「えっ?これがウケるんだ?ふーん」みたいなスタイル。肩の力をぬいて好きなことやったら、時代作っちゃいました、みたいな子器用さや賢しらさが鼻についた。汚く粗い楽曲なのに洗練されてしまう感じ。あとイケメン高身長高学歴実家が金持ちなところ。敵ですね。

 

だから対比されるリバティーンズが好きだった。あの「これしかできねぇ」みたいな不器用なバカ。ちからまかせな感じ。おしゃれでポップな楽曲もあるのに衝動的な感じ。たぶんアイツらバンドやってなかったら路上で死んでる。そういうとこが好き。あとヤク中ヘロヘロ貧乏クソ人間なところ。ロックンローラーはクソ人間であるべき。

 

この不器用さがバックホーンにはある。偽れない、演じられないリアル。必死な形相でギター弾いてる。叫んでぐにゃぐにゃおどってる。長く活動しているし、全員が曲作ったりするから曲は振り幅があるけど、でもバックホーン臭さってのがどの曲にもにおってくる。とても香ばしい。

 

誰も助けてくれない現実社会。私はだれかと「大丈夫だ」って「心配ないよ」って声を掛け合って行きたい。きみのおかげ、生きてるのは。なんて思いたい。これは「シンメトリー」という楽曲の歌詞ですが。私、この曲、大好き。

 

バックホーンはこういうことを恥ずかしげもなく言ってくる。カッコつけてるわけでなく本気で「輝く未来はこの手で開いていける」とか言ってる。さむい。でもバックホーンは真剣。憧れる。カッコ悪いのが格好良い。嘘ばかりの私の人生からみるととてもまぶしい。純粋な眼差しがすごく刺さってくる。だから私は泣いてしまう。そこにつけこまれる。

 

バックホーンをダサいとか書いてしまったが私はバックホーンが好きだし良いバンドだと思っている。てかファンです。非公式隠れ銀河遊牧民。

ボーカルの将司は歌が上手いタイプではないが、情熱的で、歌のあるべきすがたの歌をうたっている。しっかり身体でうたってる。最高。

ギターの栄純は私にドンピシャな曲をいつも作る。マイナーメジャーの活かし方やメロディが圧倒的に好み。イエモンもマイナーメジャーのメロディの使い方がうまいがそれに匹敵する。

ベースの光舟はベーシストとしてマジで一流。フレーズは声部と確率できてしまうほどのセンス。ただ指を動かせばいいと思っているベーシストはコイツを見習うべき。

ドラムの松田はアイデアマンだとおもう。「未来」のラストのドラムなんてありゃ発明だろう。夢の花とかえらい名曲を作るし。

 

私の中のバックホーン観は「体温」だとおもっている。それはとても生々しく、つめたくなる時もあれば、ときに暴力的で、ときにあたたかくて、やさしい。

 

そんなバックホーンの体温をかんじながら、あたしは彼の腕の中にだかれている。今夜。

 

B-SIDE THE BACK HORN

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