まだロックが好き

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夢破れたサラリーマンがおめおめと生きている日記

いつかかっぱ寿司のカッパに復讐されるのではないか

 

柳田國男が「妖怪とは神の零落した成れの果て」と言っていた。

例えばカッパである。國男いわくカッパはex.水神さまである。ようするに水神さまが人々からの信仰の対象としてはずれ、奉られた社が雨風浸食、風化荒廃、のちに用済破壊され、帰る場所を失いホームレスになる。すると妖怪カッパになる、といった理論である。

 

現在、水神さまを奉る神社はどれくらいあるのだろうか。カッパが飽和しているのではないか。

あんなに昔は雨乞いだ、水害だなんだと神の力としていいように奉ったくせに。

農業の発展や品種改良された苗などにより干ばつに対する恐れがなくなると、かくもかんたんに信仰を失ってしまうのか。なんとも都合のいい神である。

 

しかしカッパもただ指をくわえてだまっているわけではない。家族だっている。あたらしく買った甲羅のローンものこっている。水かきの手入れも月に一度はネイルサロンでやりたい。そんなカッパが一念発起して創業したのが、ご存知「かっぱ寿司」である。

 

カッパは前歴である水神のつてを利用し、あまたの魚をたやすくゲット。また雨乞いなどにより自前の水田はつねに潤いを持ち豊穣の一途をたどる。稲穂はみのるばかりである。その神力を利用し、資本主義をかかげる人間にまっこう勝負を挑んだのが飲食業界であり、回転寿司産業である。

各地の人間に追い出されたカッパを召集し、労働力も確保。前述の理由により魚介と米には困窮しない。まさに鮨の大量生産にはうってつけであった。

しかしもちろん思想や嗜好はカッパである。なので一番の推し商品はかっぱ巻きである。これがなかなか売れない。きゅうりなのに。あんなにおいしいきゅうりなのに。

かっぱたちは考えた。…人間は野菜を食べないのか?頭上の皿によぎるのはそんな思念である。でもしかし人間はサラダなんてものを食べている。なぜだ。

つまり人間は野菜を摂取したい。健康志向である。そこでサラダを食べる。しかし実際そんなに野菜は好きではない。できれば魚や肉がほしい。しかし食事にサラダを取り入れないと健康が害されてしまう。だったら混ぜてしまえばいい。

そこで開発したのがサラダ軍艦である。

 タコやイカ、貝類などをボイルした後、塩コショウで味を調え、さらに食感をよくするためにキュウリを混ぜたものをマヨネーズで和えてみたところ、美味しい具となったためにそれを軍艦巻きに仕立ててお客様にお出ししたのが最初

と、かっぱ寿司のホームページには記載されている。

最初はきゅうりが入っていたんですね。

さらに、

その後当時の従業員の「カニカマを入れればもっと味わい深くなるのではないか」とのアイディアを取り入れ、現在の「サラダ」に近いものになったと言われています。

引用:http://www.kappa-create.co.jp/menu/salad.html

こうしてサラダ軍艦は「サラダ」という名前だけ残して海鮮のマヨネーズ和え軍艦となったんですね。現代の健康志向を志す人々の胸撃つ「サラダ」の響きとその矛盾。しかしその美味もあいまってこれが大ヒット。

こうしてかっぱ寿司は、高度経済成長という追い風も相まって、回転寿司業界において雄となった。

 

すみません、こっから本題です。

昨日わけあって国道を走っていると、いつも見るかっぱ寿司の看板がかっぱ寿司のものではなくなっていた。

諸行無常とはいいますし、禍福は糾える縄の如し。盛者必衰のことわりなんてのもありますから、店舗がつぶれてしまうこともありましょうに。と思い目を凝らしてなにができたのかな、なんて訝ってみてみると、

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かっぱ寿司であった。それは紛れも無いかっぱ寿司であった。

かっぱ寿司のロゴが変わったのだった。しかしそこにカッパはいない。つまりまたカッパは居場所を失ってしまったのだ。

また人間のしわざである。またカッパは利用されたのである。カッパによる、カッパのための、カッパの社は人間の手に落ちてしまった。

手柄の横領である。これはかつて水神さまの恩恵により栄えた稲作文化を自分たちの力と勘違いした人間による信仰の欠落。それと同じような顛末である。

しかしカッパのいないかっぱ寿司なんて、マリリンマンソンのいないマリリンマンソンではないのか。そんなの破綻している。おかしい。

 

私には人間の思惑に翻弄されつづけたカッパたちの悲しい後ろ姿が目に浮かぶ。あんなに新しかった甲羅もいまではもう欠けたりひびが入ったりしてぼろぼろだ。それだけ無我に働いたのにこの結末である。バッドエンド。こんなのってありかよ。

 

また居場所をうしなったカッパたちは、つまりex.水神さまは次はどんな手段を講じるのか。

おそらく次は直接的な行動にでるだろう。私はそうおもんぱかっている。つまり近年、水害、干ばつ、もろもろの水災害が起こる。カッパたちはそのチャンスを虎視眈々と狙っている。

 

その危惧は日曜日、花見に行こうとした我々一家にみごと的中。なのでさんざんと降る雨の中、しかたなく私は子どもと水溜りで遊びました。

こうやって雨災がつづくんじゃないですかね。それもこれもかっぱ寿司のせいだと思います。

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我が家のかっぱちゃん