まだロックが好き

まだロックが好き

夢破れたサラリーマンがおめおめと生きている日記

P90の魅力を知りたければサンボマスターを聴くとよい

スポンサーリンク

 

 

エレキギターが好きでたまに弾いたり買ったりする。その私が購入した、あるいはしようとしているエレキギターの選考3本柱に「外見、金額、音」というものがある。そのエレキギターの音の感じを支配するものにピックアップというものがある。そのピックアップにP90と呼ばれるものがある。

 

ピックアップというのは、エレキギターについている磁石とコイルよる生成物である。エレキギターの弦振動を電磁誘導により電気信号に変換するためのもので、その電気信号がアンプリファーに電気コードを伝い走り電導し増幅され、スピーカーからエレキギターの音が発生するのである。

 

そのP90を利用する人間がさいきん多い。たとえばバンプオブチキンの藤原氏、アジアンカンフージェネレイションの後藤氏、もちろん奥田民生氏などである。しかしギターリストのみなさんがP90を語る際にだす人物がいつもレズリーウェストである。

P90というピックアップを語るうえで外せないのがマウンテンのレズリーウェストである。P90というかあいつはレスポールジュニアかな。まぁでもP90にはちがいない。他に有名なのはジョンレノン。エピフォンカジノを使っていたし、レスポールジュニアにもう一基P90を搭載させたギターを使っていた。

この二人がやたら取り沙汰されるけど音源はだいぶん古いもので、我々の聴覚に届く情報としては前時代的だな、と思う。では誰がいいかな?と窺ってみた。

 

そしたら私はサンボマスターがいちばん良い、という結論に達した。山口隆というバンドマンが奏でるレスポールスペシャルはP90というピックアップの特性をいかんなく発揮している。とくにメジャーファーストアルバム「新しき日本語ロックの道と光」が良い。

新しき日本語ロックの道と光

新しき日本語ロックの道と光

 

 

P90というのは少し変わったピックアップである。構造上、コイルの巻き数が多くうんぬんかんぬん、というはギターを弾くうえでそんなに重要な情報ではない。たしかに構造を知り、どんな音がでるのか、というのはメカニックの視点では重要である。

それは譜面を見ただけで音楽が想像できる、と言った感覚に似ている。しかし譜面の美しさは実演の享楽には勝てない。どんなに表意文字を積み重ねても、体感したライブの感動を伝えきることはできない。なのでこうしてずるずると文字を書くよりも実際の演奏を聴いたほうが良い。

と記載すると、私がこうして一生懸命かいている日記の意味がなくなる。それはかなしい。だからできるだけ文字でかいてみたい。

 

P90はシングルコイルのピックアップである。しかし音は、ぽってりしている。でもずいっと腹にくるかんじではなく軽快である。シングルコイル、ハムバッキングの、良く言えばいいとこ取り。悪く言えば中途半端、というピックアップなのである。

 

私はこれはたとえるならば「踊れるデブ」だと思っている。肥満気味の体系は遅鈍なイメージがあるが踊れるデブはちがう。軽快なのである。デブなのに軽快。機敏。そして毅然。一挙手一投足に重みと汗がほとばしる。そんな音のイメージである。

 

ここでひとつ付け加えておくとこがある。大事なことである。基本エレキギターというのは単一で音が発生するものではない。アンプと呼ばれる入力信号増幅装置がおおきくかかわる。「アンプなんてなんでもいい」というギタリストはあまり信用していない。エレキギターは電気を利用するいじょう、アンプとコンビでひとつの楽器である。

 

だからアンプの影響がとても大事である。そいでこの山口氏はライブとかの映像で見る限り、フェンダーのトーンマスターというアンプを使っているご様子である。

 

なのでこの話は、P90というピックアップをレスポールスペシャルというギターにおいてフェンダートーンマスターを使用した山口隆の音、となる。ギターの音というのはなかなか一概に言えないのである。レスポールカスタムでMXRのディストーションプラスを使ったとしても誰もランディローズにはなれないのである。

それをふまえたうえで、P90を知るならばサンボマスターを聞いたほうがよい、と思うのはとてもP90の音色が音源に反映されているなぁと思ったからである。

 

まず音質が良い、とは言えないけれどもモダン。でもがっつりコンプかけちゃって平坦な、という感じでなくダイナミクスが顕在。それはこのギタリストの力もあるが、バンドとしてのポリシーだろう。ミックスで多少は彩ってあるだろうけど、すごくナチュラルな音がしているな、と感じる。つまりこれは肉体の音である。

 

P90の特性として、ピッキングニュアンスに対する反応が顕著というのがある。私はギターの音のおいしいセッティングはクランチにあると思っている。弦の振動を小さくすればクリーンにちかく、振動を大きくすればディストーションに、そんな肉体の運動が反映されている音が好き。それがある。

 

シングルコイルにしては太めのその音はクランチで煌めく分散として芯として鳴る弦が見える。これは黄金色をした煌めき。揺らめく金色に世界を写す。それは暗く鈍く反射する。ときおり鋭く光線を放つ。

 

ディストーションとしてがっつり弾いている音は粘っこくまとまりのある音である。それはハムバッキングよりも深みはないが荒々しい。支流が合流してひとつの濁流として流れる河川の暴走。けっして深い川ではないが確実に足元を救う荒々しさがある。

 

フロントやセンターにして弦を撫でればカランコロンのプリンポリンまるくて甘い音。ちょっと力を入れて弾くとすこし尖る。グレッチのフィルタートロンにもすこし似ている、とかくと使いにくいイメージだが。

 

ガッツリコードをかき鳴らすなか、不意に1.2弦だけを弾いたときの抜け感。 肉体の音がする。ブーストした単音もスペシャルのリアですよ!と鳴っている。両の掌ですくい上げた砂塵が指の隙間からこぼれ落ちるときの一筋の煌めきのような音抜け。

 

そんな音。

 

とりあえず、P90とはどんな音?と思ったらサンボマスターのこのアルバムを聴くと良い。サンボマスターはバンドとしてもとてもよいバンドであると思う。

サンボマスター 究極ベスト

サンボマスター 究極ベスト