まだロックが好き

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夢破れたサラリーマンがおめおめと生きている日記

The BirthdayのNOMADを聴いて思うのはチバユウスケの愚直なロック魂

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侮蔑であろうか。

しかしチバ(敬称略、と書いて思うこと。それはロックミュージシャンに敬称をつけるのもいかがなものか、ということである。ロックとはフラットな関係である。そこに儒教観念を持ち込むのは無粋である。しかし実際チバと直面してお話しをした場合に「でもチバはさぁ~」とか言ったら確実にど突きまわされると思う。なのでやはり敬称はつけるべきである。敬称略。)は愚直な人間だと思う。

 

チバはとくべつなメロディメーカーでもコンポーザーでもないと思っている。というかそんな必要が無い。彼は格好つけた音楽芸術家ではない。彼はバンドマンなのである。

 

純然たるバンドマン。愛すべきロッカーである。ロッカーと言っても荷物などを保管するおもに四角形の鋼鉄製の箱ではない。ロックという音楽を愛し、ロックという音楽に愛された人間のことである。ベイビー。

NOMAD(通常盤)

NOMAD(通常盤)

 

少し前にThe Birthdayが新譜を出した。NOMADと名づけられたアルバムである。とても格好よかった。

まず驚愕したのは2曲目「1977」や10曲目の「抱きしめたい」などである。こんなエバーグリーンな曲をチバはまだ歌える。上記でとくべつなメロディメーカーではないとか書いてしまったが、ごめん。そんなことない。めっちゃいいメロディです。

6曲目の「ROCK'N'ROLL GIRL」もエバーグリーンであった。これは思わず口角が上がってしまう曲であった。

嬉しかったのは3曲目「バーテンダー」である。初期のミッシェルガンエレファントのごとき軽快なギターが鳴っていた。ギターはフジイケンジである。マイラバやん。弾きまくっている。アベが弾いていたようなパブロックのギターのにおいがする。

チバの作る曲はミッシェルガンエレファントのときから疾駆感があった。

4曲目の「夜明け前」は緊迫した夜の帳を切り裂くようなギターの刃音がその疾さを物語っていた。5曲目の「GHOST MONKEY」は歯切れの良いギターと16分を刻むベースのドライブ感が最高に駆け抜けた。9曲目の「DEVOLA」は爆風のような熱気を帯びた陣風を感じた。圧巻の一言である。この疾駆感の正体はキュウちゃんと呼ばれるクハラカズユキのドラムにあるとおもっている。

わたしはキュウちゃんのドラムは上手いと思わない。技術を見せびらかさないからだ。しかし良いドラムを演奏する人だなと思う。というかキュウちゃんは技術に頼る必要がないドラマーである。これはチバも一緒である。クハラカズユキという人間がドラムセットを前に座してエイトビートを刻むだけで説得力がある。かつてミシェルガンエレファントというバンドはそういう4人がそろったバンドであったと思う。

1曲目の「24時間」と8曲目の「VINCENT SAID」は同系統の曲であるように感じた。24時間のほうはギターの妖艶なアーミングの雰囲気かネオロカビリーの様相をなしていた。漆黒と怪奇合い混じった曲であった。

7曲目「夢とバッハとカフェイン」はエモかった。曲調はミドルテンポなんだがとにかくエモかった。しかしそのエモさは情念に突動されているということでなく、それと一定の距離をとっている感じがした。

曲というのは技術ではなく情熱で作るものである。チバはずっとその情熱を絶やさない。ミッシェル時代はその情熱の焔に身を任せたような楽曲もあったが、この「夢とバッハとカフェイン」は焔を見つめ、枝火を手にとり見つめて作ったという印象であった。


The Birthday - 夢とバッハとカフェインと (Music Video)

全11曲の最後は「月の上のイライザ」である。夜半に月を見つめることはきっと歳をとっても忘れない人間の原初的な行動だと思う。歌詞にひっぱられてしまうがそんな曲だとおもった。

 

私はいままでミッシェルガンエレファントの影ばかり追いかけていた。ゆえにロッソ、バースデイというバンドはあまり聴いてこなかった。しかし気がつきました。バースデイってこんなにいいバンドだったのか!

 

いま若いバンドがロック業界を台頭している。しかしどれだけの若人がいまの音楽性を続けられるだろうか。きっといろんな音楽に手をだすと思う。時代の要望に答えてロックバンドがテクノバンドになったりすると思う。

 

しかし、それはなぜかというならば、自分を鳴らしていないからではないだろうか。対するチバはチバの音楽しか鳴らせない。悪く言えば不器用なのかもしれない。けどチバは誰よりも自分のすきな音楽を自分らしく鳴らしている。

 

私はそんなチバが好きである。愚直で、純真素直にロックバンドをやるチバが誰よりもロックを愛しているんだなと思う。ずっと歌い続けて欲しい。その皺枯れた声はいつかSIONみたくなっちゃうかもしれない。けどずっとチバはチバだと思う。敬称略。

NOMAD(初回限定盤)(DVD付)

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