まだロックが好き

まだロックが好き

おめおめと生きている日記

遊ぶか食べるかどっちかにしなさい

 

難題である。

だって遊びたい時にご飯の時間がやって来るのである。だから遊びながら食べるというハイブリッドな発見をしてしまった。柔軟な頭脳ゆえの空前絶後のアンサーである。まことにもってジーニアス。しかし、嗚呼、どうしてこうも世界は生きにくいのか。そらあかん!と言われるのである。そして「遊ぶか食べるかどっちかにしなさい」と言われるのである。天才はこうして滅されていく。

 

前提として2歳児の食事の時間は親に左右される。ゆえにべつだん2歳児は飯を食べたくない。と言うと親のみなさん「じゃあ食べなくていい」と怒号を発するのである。いやいや、それ、育児放棄やで?と訝しげにお顔を拝見すれば、あらやだ。まだ怒っていらっしゃる。やれやれ。といった感じで譲歩。仕方なくご飯をちょうだいするのである。できればあと少し遊びたいんだが。あ、じゃあ遊びながら食べればいいんじゃん!といった顛末。まことにもってジーニアス2。

 

で、遊ぶ。で、遊ぶと怒られる。なぜならいまは強制的に食事の時間だからである。ははは。ここは監獄ですか?泣きたくなる。しかし彼らは気がついているのだろうか。取捨選択という脅迫、確定しているなぞり書きの答案を押し付けるたびに、あべこべな教育観念をもっていることを、わかっているのだろうか。

 

「柔軟な発想」というフレーズがある。それが「知育」という世界で横溢している。滑稽なことこのうえない。マナーという型取りで心を画一的にしているのは誰であろうか。他ならぬ教育者という立場ではないだろうか。柔軟な発想を教育しようとして紋切り型な方法論を教育する。いったい君たちはなにをしたいのだ。泣きたくなる。

 

まぁ、しかし、わかっている。良い子という単語の冒頭に省略されている、「親にとって都合の」という形容詞である。自身の行為を社会通念に迎合していくこと。それが法的秩序に守護された時代というゆりかごの中で生きるということなのである。いまからこんなんじゃ、ほんと泣きたくなる。

 

現代人はいつまでたっても赤子同然である。一度この地球というオープンフィールドへ駆け出してみるとよい。国際社会、インターナショナル、ワールドワイド、国境、バイリンガル、世界サミット、そんな単語が意味を成さない荒野へと足を踏み出すべきである。

 

法も秩序もない世界。というと荒廃した都市の零落を想起させるが、ちがう。それはもっと自然としているものである。そこにあるのは大地と風と海だけである。自らの力のみで生きる。そこに必要なのは人間世界の「知育」などで養われる金太郎飴のごとき類列された同等の「柔軟な発想」などではなく、精神に宿った生命の開放。つまり衝動的な行動であり、遊びながら飯を食うことは、その原初的な行動に類するのではないだろうか。

 

原始への回顧を嘯いているわりに人類の叡智をもちだしてしまうのはコミカルな所業であるが、シャチというのは賢い。これは海洋学によりもたらされた情報である。その賢いシャチであっても食料とすべきアザラシで遊ぶのである。遊びとはあらゆる生命体の心の露呈であり、とても尊厳な行為なのである。

 

それを抑制する教育である。本然として精神を抑制するのことはたいへんなストレスである。そう、問題はストレスなのである。

 

ブラック企業などが日本社会に横溢している。そこにはストレスが付き物である。というかブラック企業でなくしてもストレスというのはもちろんある。ただストレスフルだからといってそれがブラック企業だとは断定できない。

 

つまりストレスを感じやすいとブラック企業認定をしやすくなる。それは自己の都合である。なんでもかんでもストレスストレスでは社会は成り立たない。原始への蓴羹鱸膾を訴えながら社会を持ちだしているが仕方ない。なぜならこの社会で生きるしかないからである。心を鍛錬しなければこの世を生き抜くことはできないのである。

 

つまり「遊ぶか食べるかどっちかにしなさい」と言うのは心の鍛錬なのである。精神に負荷を与え、思い通りにならない現実社会への迎合という稽古なのである。

 

思えば、原始的な世界であってもうまくいかないことなんて、たっくさんある。獲物がとれずに泣いているだけでは誰も助けてくれない。そんなことをしていたら待ちうけるのは死の一択のみである。

 

この世には普遍の真理というものがある。数少ない真実である。それは時代を問わずどんな場合にも適合し、人を導く。ゆえに「遊ぶか食べるかどっちかにしなさい」というのは古来より永続する普遍の真理であり、心の鍛錬として必要な生きる力の構成であり、それに服従することは人間の「生きる」ということにほかならないのである。

 

ということを、うちの2歳児が思ったような気がしました。うちの子とってもジーニアス3。

ジーニアス英和辞典

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