まだロックが好き

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夢破れたサラリーマンがおめおめと生きている日記

アベフトシという沼

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好きなギタリストは?と問われると困る。そのときの気分によるのです。ちなみに今はデレクトラックスがすごく好き。

さいきん、と言っても2ヶ月前くらいにライブアルバムをテデスキトラックスバンドで流通させていた。オークランドのライブアルバム、これが途轍もなく生生しくも洗練されたバンドの音をかもし出していた。

このバンドではあまりデレクは弾いていないのだけどもそのバンドに徹する奥ゆかしさがとても好き。まぁ弾きまくる初期のソロも好きですが。

しかしずっと聴いているのは「REVELATOR」というアルバムであって、これがまじでさいきんのお気に入りである。とりあえず、なに聴こうかなぁってときにはこればっか聴いている。めちゃ良い。

Revelator

Revelator

 

 

そうしてデレクのスライドギターを聴くと、もちろん聴きたくなるのはオールマンブラザーズバンドであって、やはりデュアンオールマンがスライドバーの名手だな!ってことになるのだけれど、スライドバーなら負けないぜ!ってライクーダーなんかも聴きながら、でもやっぱデュアン、ってかデュエインの泥臭くて土臭くて右耳から左耳に突き抜けるようなフレーズが好きなんだけども、いやしかし、デュアンの最たるベストワークはオールマンブラザーズバンドもしかりではあるが、やはりクラプトンとのドミノスであって、この「いとしのレイラ」という名盤を聴くとクラプトンがとても小さく見えますね。まぁ良いシンガーソングライターです。ってちょっと大御所をけなすと自分が高尚な気分になってしまいますね。いやでもこの時の私の趣向はスライドバーであって、興味はデュアンなのだから仕方ない。やっぱスライドバーってかっこいいな、って思いながら結局、エルモアジェイムスあたりを聴いてみたりするのですね。

 

こういったギタリストを得意技で分類して系譜を追う、というのはけっこうな沼、いわゆる嵌ってしまう所業であって時間がいくらあっても足りない。こまる。なんでこんな私になってしまったんだ!と過去の自分を振り返ってみると、アベが諸悪の根源です。

 

アベフトシというのはもう故人なのだけれども、みなさんご存知ニッポンのミッシェルガンエレファントというバンドのギタリストでありました。

アベフトシ THEE MICHELLE GUN ELEPHANT (初版限定ポスター付き) (Guitar Magazine Special Feature Series)

アベフトシ THEE MICHELLE GUN ELEPHANT (初版限定ポスター付き) (Guitar Magazine Special Feature Series)

 

アベの荒ぶるカッティングギターが鬼神のごとくであって、こんな形容詞をつかうと馬鹿っぽいんですが、とにかくすごい。

 

ギターって構造上、6本の鉄線が張ってあるんですが、使用音によってその弦を弾いたり弾かなかったりするんですね。アベももちろん目的別によって鋼の弦を弾くのですが、そんな細かく一本一本を丁寧に、って具合ではないのです。

 

基本全部弾いている。でもしっかり和音なのは左手の押弦が巧みであってしっかりと共鳴を防いでいるからなのです。でもその音圧の出所は他の弦をブラッシングしているからではないでしょうか。

 

とにかくこのギタリスト、右手首のスナップがすごい。峻烈な柔。しかし音は剛。テレキャスターの硬くて鋭い音であって、歪んだ爆音のイメージだけれども弦を弾いた芯の音が残っているのが気持ちよい。

 

個人的にミッシェルは「ギヤブルーズ」というアルバムが好き。

ギヤ・ブルーズ

ギヤ・ブルーズ

 

でもアベの高速カッティングが体感できるのは「High Time」に収録されている「シャンデリア」という曲です。

High Time

High Time

 

こうして望月(←私の姓)青年はカッティングギターに魅了される。つまり、アベフトシはどんなギターを聴いていまのスタイルを建築したのだろうか、と探究心という焔がめらりと光るのです。

 

そこで出会うのが、もちろん英国のパブロックバンド、Dr.Feelgoodというバンドである。ミッシェル自体がこのドクターフィールグッドを写し紙にしているということもあるのだろうけど、アベのウィルコジョンソン直系ともいえるマシンガンカッティングがドクターフィールグッド感をより一層グッと引き立てている。

 

このウィルコジョンソンというギタリストがまぁとにかく演奏が狂っていてたいへん興味深い。ピックを使用せず、徒手空拳でギターの鋼を弾きまくる。

 

それもアベのごとく手首のスナップ、左手の押弦を活かした全弦弾きスタイルである。そいで怪我をする。滑稽ですね。よってギターのピックガードが血で染まってしまい、心配されるので地が目立たないようにピックガードを鮮血色に塗ったというのは有名なロック美談である。かっちょ良い。ピック使えばいいのに。

ダウン・バイ・ザ・ジェティー

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そいでじゃあウィルコは誰の影響下にさらされたのか!と歴史の謎を紐解くと、出てくるのがザパイレーツというバンドである。もともとはジョニーキッド&ザパイレーツとかだっけかな。失念しましたが。とにかくこのパイレーツが格好良い。

 

なにを隠そうこのパイレーツのギタリスト、ミックグリーンというのだが、コイツのカッティングも途轍もない精度である。気味の良い硬質な鋼の打音。それがブラッシングと呼ばれるギターの弦を振動しないように握り、ピックなどで鉄線を倍のテンポで弾く。

 

その音階的とはいえないリズミカルな打音が曲中のブリッジで活きる。暴力的ともいえるようなフレーズなんだけど、衝動的であり原初的であり、思わず肩に力が入ってしまう。

 

アベはテレキャスターのカスタムを使用していたんだけど、それは確実にミックグリーンの影響でしょう。あと後期に使用していたテレのカラーリングはウィルコジョンソンそのものだし、カールコードの使用もドクターフィールグッド。なんかアベは本当に自分が好きなギターを弾いていたのだなぁと思う。媚びない。

ちなみにミックグリーンとアベのセッションアルバムもある。

KWACKER

KWACKER

 

 

こうして音楽って系譜を追ってしまう。とくに自分に響くものだったりすると、なんだこれは!と思い、そのバンドが影響を受けたというバンドに遡ってしまう。そして、こんなかっこいい音楽が過去にもあったのか!なんだよ!アベパクリじゃん!なんて具合になったりする。

私はアベという沼に足を踏み入れたせいで、新しい一歩が次々とぬかるみに入ってしまう。そうしてぐずぐずしているうちに新しいかっこいいバンドがでてきたりする。

音楽ってか何事も、はまるとやばい。