まだロックが好き

まだロックが好き

夢破れたサラリーマンがおめおめと生きている日記

ロドリゲスの語尾が「〜でゲス」だったらどうしよう、と心配です

スポンサーリンク

 

ラテンの匂いが強い名前だなぁと思う。ロドリゲス。

好きな飲み物はテキーラとマテ茶。

食事のサイクルはタコス、テキーラ、シュラスコ、マテ茶、ときどきサボテン。

 

そんなロドリゲスの語尾が「〜でゲス」だったらどうしよう…と心配になってしまう。

とくに自己紹介が人生最大の山場だと思う。

 

「おいらの名前はロドリゲスでゲス」

 

こんなにおもしろい自己紹介がありますか?

ロドリゲスなのに語尾が「ゲス」って。どうして韻を踏んでいるんですか。反則でしょう。

 

学校だったら確実に教室がざわめく。

「えっ…いまゲスって言った?」「ロドリゲスがゲス…?」

ひそひそ声が聞こえる。

影でこそこそ言うのはだいたい女子。だいたいブス。

男子は格好の標的を見つけたと言わんばかりに目が爛々と輝いているその感じ。

 

ってゆうか、お前ロドリゲスなんだからその「ゲス」我慢できなかったの?と思う。

せめて、せめて、ファーストインプレッションはふつうに与えられるように頑張れよ!と思う。

 

こんなん絶対いじられる。これをいじらなかったら逆におかしい。

どんだけロドリゲスに無関心なんだよって思う。

もしもロドリゲス君が途轍もなく諧謔味溢れる人物だったとして、アイスブレイクをしようとして放った「ロドリゲスでゲス」だったらどうするのそのロドリゲスの気持ち。

返してやれよ。返してやれってその気持ち!と思う。

 

だいたいこの口癖を直さないロドリゲスの母ちゃんも母ちゃんだと思う。

「いいかいロドリゲス。あんたは語尾のにゲスがついてしまうから、とくに自己紹介のときには気をつけるんだよ。そう言ったって聞かない子だからね。きっとロドリゲスでゲスって言っちゃうんだろうねぇ。だから母ちゃんいいことおもいついた。よく聞くんだよロドリゲス。あんたは自己紹介の時、ロドリで止めるんだ。ロドリでゲス。名前を途中で止めればそこで語尾のゲスが付いたってなんとかごまかせるから。ね。じゃあがんばるんだよ。友達たくさんできるといいね」

母ちゃんはいつだってやさしい。母ちゃんもロドリゲスがやさしい子だって知っている。親子愛泣ける。

 

それでもロドリゲスは言ってしまう。

「おいらの名前はロドリゲスでゲス」

だいたい語尾にゲスをつけている時点で知能指数は低い。

 

でもしかしこの母ちゃん秘伝の「ロドリでゲス」で自己紹介を乗り切ったとしても今後の生活で必ず「~でゲス」って言ってしまう。それが口癖である。

 

「あいつロドリゲスって名前のくせにしゃべると語尾にゲスって付くんだぜ、クシシシ」

となりのクラスから見物がやってくる。ひざ小僧に生傷絶えない系男子。

「おい!なんかしゃべってみろよ!」

「やめてくれでゲス」

「うわ!ほんとだ!ロドリゲスはしゃべると最後にゲスが付く~」

「ちょっとやめなさいよ男子!ロドリゲスくんかわいそうでしょ!」

「ロドリゲスくん気にすることないからね」

「ありがとうでゲス」

「………ぷっ」

「あ、やっぱおかしいでゲスか…今日は早退するでゲス…」

 

救えない。救われない。神はいない。誰も手を差し伸べてくれない。

ロドリゲスは今日もテキーラで憂さを晴らそうとする。酒だけが俺のことを馬鹿にしない。いつだって不思議な浮遊感を覚えさせてくれる。テキーラ大好きでゲス。

 

でもこんな自分じゃだめでゲス。酒ばかりに頼っていられないでゲス。

ロドリゲスの一大決心。語尾を変更する。

ではなにに?そうだ大好きなうる星やつらのラムちゃんの「だっちゃ」にしよう。

でも「~だっちゃ」はいかにもラムちゃん感が出てしまう。パクリ疑惑が付いてまわる。いやじっさいパクっているんだけれど。だから少し変える。「~だっちょ」にする。

 

そうと決まれば行動は早い。ロドリゲスは印鑑と通帳を持参のうえ役所に出かけた。

提出用紙の語尾の変更欄にレ点を打って各種空欄を記載。捺印の上、整理券を受理。

「発券番号211番でお待ちのかた~」呼ばれる。やはりみんな語尾にゲスは付かないんだな、と思いながらカウンターへ行く。

 「今日は語尾の変更ですね」

「そうなんでゲ…そうなんだっちょ!」

「既に変更済みなんですね。いつからですか?」

「今日からだっちょ」

いつになく力が入る語尾に違和を感じながらも、ロドリゲスの語尾変更手続きは終了した。これで長年連れ添ったゲスとも訣別だっちょ。ばいばい、ゲス。もう会うことはないだっちょ。なんて思いながら沈む夕日に背を向けてロドリゲスは家路についた。傍らにだっちょを連れ添って。

 

でもここでまた心配になるのはロドリゲスが脱腸したときに「脱腸しただっちょ!」と言ってしまわないか。ということ。

あと、もしもサンチョという人の語尾が「~だっちょ 」だったらどうしよう。自己紹介が「サンチョだっちょ」になってしまう。また韻を踏んでしまう。いじられる。

ということで世の中は本当に心配なことばかりで夜も眠れません。だから私はテキーラをたくさん飲んでしまうのです。

TELESTERION (テレステリオン)

TELESTERION (テレステリオン)