まだロックが好き

まだロックが好き

おめおめと生きている日記

ライブハウスの衰退

 

新宿JAMという老舗ライブハウスが閉店するようだ。ビルの解体らしい。

私もこのライブハウスには思い入れがあって、出演したこともあるし、なんどかイベントも見に行ったことがある。

新宿JAMが12月で閉店、37年の歴史に幕 (音楽ナタリー) - Yahoo!ニュース

 

ライブハウスの閉店はよくあることだ。ついこの間、とあるイベントで下北沢に行ったときに屋根裏というライブハウスのあるべき場所にそれがなかった。別のそれになっていたのである。懇意にしていただいていたライブハウスだった。悲しかったとかではなく、とにかくびっくりした。

 

ライブハウスの経営ってのは艱難辛苦がつきもので、存じ上げているライブハウスの店じまいを何度か耳にしている。静岡うまれなので清水ジャムジャムジャムが閉店したのも記憶に新しい。何年前だよって話しですが。

 

いまでも鮮明に覚えているライブハウスの終焉がある。

静岡の草薙にあったアウトサイダーというちいさなちいさな山小屋ライブハウスだ。とても愛されていたライブハウスだった。夜半に解体中のそこに忍び込んでみたらホワイトボードが横転していて、同様に忍び込んだ人たちが書いたと思われるたくさんの思い出と「ありがとう」があった。胸がいっぱいになって随喜したのを覚えている。

 

思えばライブハウスの体験はアウトサイダーがはじめてだった。

高校生バンドのライブだった。コピバンとかやっていた。

キャパ的にはたぶん5~60人がマックスかな、というちいさなライブハウスだ。

 

それでもめちゃくちゃ盛り上がっていた。熱狂していた。

私は、ってか俺は、はじめてモッシュの波にさらわれた。

肩がめちゃくちゃ痛かったし、ステージから人は降ってくるし、狭いから酸欠でたいへんだった。でも私もその波の一泡になった。汗ぐっしょりで息も切れ切れ。

それでもたのしかった。

 

それからアウトサイダーでライブイベントをやったり、出演したりした。

もちろん友達のバンドもよく見に行った。押して押されて肩を腫らした。

友達の友達で和が広がっていく場所だった。

行けば誰かしら知人がいる。そんな場所だった。中世ヨーロッパ風に言えばサロンだった。ふつうにシンナーとか吸ってる人や、そのへんの蟻を食ってる人もいたけど、学歴とか素性とかそんなの関係ない、なんのしがらみもない場所だった。俺はそこがとても好きだった。

 

だから俺の認識ではアウトサイダーがライブハウスの基準になっている

音楽が好きな人があつまる交流の場所というか、居場所が無いやつが来る場所っていうか、ただバンドを見て盛り上がるって場所ではない気がしていた。

 

いま思えば高校生の内輪ノリの寒気が吹きすさぶライブハウスだったと思う。

けれどもそういうライブハウスっていうのは当時の俺たちには必要な場所だった。

そんなアウトサイダーのマスター、佐藤さんは高校生に格安でハコをレンタルさせすぎて、挙句に経営を断念してしまったという風説。ロックだ。

 

頃日のライブハウス界隈がどんなものかは知らない。

けれども音楽を好きな人は増えている気がする。

だからもっとみんなライブハウスに行けばいいのに、と思う。

気軽に入って気軽にモッシュしたりダイブしたりすればいいと思う。

「ひまじゃな~い?」「じゃあ軽くモッシュしてく?」みたいなノリで。 

 

ちなみにモッシュダイブを禁止する運動がさかんに行われている。

俺はまぁフェスならしかたないと思う。

しかしライブハウスを名乗るところで禁止するのはどうかと思っている。

ダイブは危険というけれど、っていうかみんながしているのはクラウドサーフなわけだけど、ぶっちゃけクラウドサーフは観客からしたら邪魔なだけだと思う。

クラウドサーフしたいやつは足をばたばたさせるな!あぶないから!手足は体にひきよせて転がれ!ステージダイブは背中から飛べ!あぶないから!

しかしあれは、演者からすれば「めっちゃ盛り上がっている」感があってうれしい。

 

では人がライブハウスに気軽に足を運ぶにはどうしたらよいのか。

気軽にモッシュするにはどうしたらよいのか。

俺は考えた。

ライブハウスはその専門性を高めればよいのではないだろうか。

 

ライブハウスによって得意なジャンルというものがある。

メロコアに強いハコ。ハードコアが集まるハコ。ヴィジュアル系に主眼をおくハコ。ロキノン系普段着ロックにあかるいハコ。という具合である。

 

これは俺がライブハウスめぐりをしていたときに思ったことである。

「あ、ここは俺らが出るハコじゃない!」と思ったことが何度かある。

つまりハードコアのハコには出たってつながりが増えないのである。

そんなのロックじゃない!と思われるがバンドはつながりがまじで大事だ。

バンド同士もそうだし、ハコもそう。イベンターは怪しいやつが多い。

 

でもハードコア好きにとっては、さまざまなハードコアバンドが出演するわけだから、ちょっと暖簾をくぐってヘドバンしてくりゃいいと思う。

表の看板には「各バンド、今日はセットリストに○○の曲を1曲コピーします」なんて具合に書けば一見さんもやってくるんじゃないかしら。

メロコアなんて、こう言っちゃなんだけど、あんなの代替のきく音楽なんだから適当にメロコア専門ライブハウスに入ってモッシュしてくりゃいいと思う。

 

そんで同じ音楽が好きな人同士が交流をもって、あれが良い、これが好きっていう話ができるようになれば、世の中にもっと「体感する音楽」が横溢してバンド界隈も興隆し、ぜんたい音楽が復興するのでは。

そしたら妻に「もっかいバンドやろうと思ってんだ…」なんて言えるんじゃないかしら。俺。